国民経済の基礎
基礎知識はここにまとめているので、今日は引用するに留めておきます。
現代貨幣の仕組みを拒絶する人たち
傾向としては、おおよそ以下の3つに分類できると思います。
- (傾向1)偏った主義に染まっている
- (傾向2)正しい知識が広まると都合が悪い
- (傾向3)そもそも知識がないし、知ろうともしていない
経済学者
正確には、
主流派経済学(新古典派経済学)に属する経済学者ですが。
『
硬貨と紙幣のルーツの違い』で述べたように、現代の貨幣は
借用証が発達したものです。
しかし、経済学は
「貨幣は金貨・銀貨」だった頃に確立した知識体系であり、
未だに、その知識体系の修正ができていません。
※色々と継ぎ接ぎで誤魔化しているようですが、根幹となる前提が変わっていません。
ゆえに『
国民経済を知ろう(お金の発行)』で紹介したような
「お金には、様々な種類がある」という前提がありません。
また「税金は財源」としており、政府は
「税収以上に支出してはならない」という
財政均衡主義に偏っています。
当然、現代において、これは誤りです。
⇒『
中央銀行の誕生と税金の役割』
MMT(現代貨幣理論)
主流派経済学は、過去に何度かメスが入れられており、
「主流派」から転落したことさえあります。
しかし、しぶとく生き残り、現時点では主流派の席に居座っていますが、
近年、再びメスが入れられようとしています。
主流派経済学には、貨幣以外にも色々と
あり得ない前提が存在するのですが、
その辺は長くなるので本日は割愛し、答えだけ示すと以下になります。
経済学者たちは、
(傾向1) 偏った主義(財政均衡主義)に染まっており、
(傾向2) 正しい知識が広まると、自分たちの間違いがバレるので困る。
グローバリスト
市場原理主義者、新自由主義者、エニウェア族・・・
その時代によって様々な呼ばれ方をしますが(言葉の定義も微妙に違うのですが)
まぁ、大雑把には同じ類の人々です。
財界や投資家に多く存在します。日本で言えば
経団連が代表格です。
彼らの価値基準は
自分たちの短期的な利益であり、
そのための一番美味しい市場は
「公共サービス」になります。
なぜなら、医療や安全保障などの分野は、消費者側がパワーバランス上弱く、
完全自由化した場合、企業の「草刈り場」にできるためです。
共通通貨ユーロ
『
ユーロという歪な貨幣』で紹介したように、ユーロが導入された背景には、
「国家の通貨に関する主権を制限したい」という思惑がありました。
グローバリストにとっては、
「通貨を発行し、国民を助けることができる」ような力が
政府にあってはならないのです。なぜなら、その分野こそ最も支配したい市場だからです。
消費税増税+法人税減税
そして、グローバリストにとって一番嫌な市場は、以下のような
「儲からない市場」です。
- 防災やインフラの管理(支出が大きく、リスクの大きい分野)
- セーフティネット(金銭的な見返りのない分野)
- 基礎研究(長期で不確定要素の多い分野)
そういう分野は、政府が税金でやれというわけです。でも自分たちは払いたくないので
「消費税は安定財源、法人税増税は企業が逃げ出すのでダメ」
というレトリックを使います。
当然、正しい貨幣の知識が広まると、このレトリックは使えなくなります。
⇒『
国民経済を知ろう(税金の役割)』
⇒『
「法人税を下げないと企業が逃げ出す」は本当か?』
グローバリストは、
(傾向3) 短期的な利益しか興味がないので、そもそも国民経済の知識がない。
(傾向2) もしくは、正しい知識が広まると自分たちの利益が減るので困る。
財務省
少し特殊な存在で、国内での権力が強いのが
財務省です。
財務官僚たちは、法律に極めて忠実に実務を行います。
(東大法学部出身者が多い、というのもあるのかもしれませんが)
財政法
『
消費税と財政法の理念と危険なマネージャ』で少し触れたのですが、
日本には
財政法といものがあります。その
第四条に以下のような条文があります。
財政法 第四条
国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。
但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
彼らは、この法律を守って(前身の大蔵省のときから)数十年仕事をしてきたわけです。
今更、そのせいで
「多くの国民が犠牲になってきた」なんて認められないわけです。
財務省設置法
そして、その仕事ぶりは、1999年に
財務省設置法として結実します。
その
第三条には、こう書かれています。
財務省設置法 第三条
財務省は、
健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。
つまり、財務省という組織は、
国民経済を無視して緊縮財政を「実行」するための組織として設立されたわけです。
※前身となる大蔵省は単に「行政事務・事業」を行う組織でした。
そのため、省内では
「政府支出削減 or 増税」を行った官僚が出世するシステムになっており、
財務官僚たちは、国民のためではなく、自身の出世のために
緊縮財政を進めています。
IMF(国際通貨基金)
ちなみに、よく
IMF(国際通貨基金)が、日本に消費増税を提言しますが、
IMF は財務官僚の出向先なので、財務省が IMF の名を借りているに過ぎません。
「権威ある人・組織の発言」および「多方面から提言がある」という印象作りですね。
財務省は、
(傾向1) 法律と組織のシステムに基づき、均衡財政主義に染まっており、
(傾向2) また、自分たちの責任が問われないように、正しい知識が広まるのを止めたい。
マスコミ
これは一番簡単で、
というだけです。
また、日本のマスコミは、調査・分析するような組織は持っておらず、
「記者クラブでもらった情報をそのまま流す」
「海外の情報は、海外の新聞を翻訳するだけ」
ということをしています。
でなければ、各社が一斉に
「同じ情報、かつ同じ論調」のニュースを流すのはおかしいのです。
ちゃんと取材しているのは文化面くらいじゃないでしょうか。
マスコミは、
(傾向3) ジャーナリズム精神がなく、単なる「広告 and プロパガンダ」機関。
今日の駄文
まぁ、どの分野にも、まともな人はいるのですが、
国民経済の正しい知識を持った人が、まだ少数派なのが残念なところ。
ちなみに
政治家についてですが、これは日本が
民主主義国家である以上、
国民に正しい知識がなければ、お粗末な政治家が増えるのは自明なのです。
そして、国民が政治に無関心だと、
政治家は「経済学者、財務省、マスコミ」の情報をもとに経済政策を組むわけです。
国民が正しい知識を身に付けないと、この状況は変わらんってことですね。
確かに、国民が正しい知識を身に付けないと状況は変わらない!
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