前回の記事から、時間が空いてしまった。。。
試験2つと小論文を同時に抱えるものではないな。( -_-)ヽ
前回の記事では、主に自治体の権限について書きました。
ほとんどの人が、自分の住んでいる自治体の権限について無知なんですよね。
日本の義務教育大丈夫か?
今日は、
大阪都構想の効果についてです。
今回も、2015年に別サイトで投稿した記事を再編したものになります。
大阪都構想の効果
2015年の住民投票も、今回の住民投票も、
政令指定都市である大阪市を解体して、特別区に再編するというものです。
特別区になると、現・大阪市民の自治権は大幅に下がります。
(ちなみに、民主制国家の主権者は国民ですからね。大阪市の主権者は大阪市民。)
じゃぁ、他に大きなメリットがあるんじゃないか?(*'-')
では、2015年当時の騒動を振り返ってみます。
財政効果
財政効果に関する当時の賛成派・反対派の主張は、以下でした。
- 推進派:17年間で2700億円の財政効果がある。だからメリットの方が大きい!
- 反対派:年間1億円の効果しかない。だからデメリットの方が大きい!
この主張の違いは、実は同じ見積りを元にしていました。
つまり、
「何を財政効果に入れるのか?」によって、異なっていたわけです。
協定書では、以下を財政効果に含めていました。
- 二重行政の解消
- 水道局、市営地下鉄の民営化
- 大阪市再編後の経済政策
ただし、公共事業の民営化は、大阪市を解体せずともできます。
(現に、市営地下鉄は2018年に民営化されましたし・・・。)
また民営化って、大阪市の支出が減るだけで、市民の負担は変わらないですからね。。。
経済政策についても、当時の協定書には書かれていなかったので、
財政効果に含めるべきではないと、私は思っていました。
(額はどうやって算出したんだろうか・・・)
関係者の証言
ちなみに、当時の橋下市長も記者会見で、こう答えています。
産経WEST:【橋下市長会見詳報】
https://www.sankei.com/west/news/140704/wst1407040060-n1.html
--都構想の財政効果の示し方が分かりにくい
財政効果はあまり意味がない。(都移行後に各特別区が財政的に)破綻しないことが確保されれば十分で、維新として夏までに特別区ごとのマニフェストを作って市民に訴え、(是非を)判断してもらう。
--しかし、出直し選のときに開いていたタウンミーティングでは財政効果の説明に力を入れていた
それはあなた(記者)の主観だ。(特別区の区長を選挙で選ぶ)住民自治の充実についても言っていた。僕の価値観は、財政効果に置いていない。
大阪都構想を始めた当人が、こう言っているので、
「財政効果」は本筋ではないのでしょう。
そもそも、今回の住民投票でも、財政効果は謳われなくなりましたしね。
行政の効率化
2015年当時、もうひとつ謳われていたのが、この
行政の効率化でした。
先にも出てきた
「二重行政の解消」ですね。
大阪市役所と大阪府庁で、似たような行政サービスを行っているのが無駄、というわけです。
一部事務組合
大阪市を解体すれば、大阪市役所が無くなります。
つまり、行政が一本化されて、無駄がなくなる!(゚∀゚)
そうは問屋が卸さない。
大阪市を5つの特別区に分割した後、行政は以下のような割り振りになります。
大阪市内の事業で、各特別区に跨らない案件 |
各特別区役所の仕事 |
大阪市内の事業で、各特別区に跨る案件 |
一部事務組合の仕事 |
大阪市内の事業で、各特別に振り分けられない施設の運営等 |
一部事務組合の仕事 |
一部事務組合とは、
「大阪市役所が縮小されて名前を変えたもの」と思えばよいです。
行政事業の中には、簡単に分割できないものが沢山あるわけです。
また、施設に関しては、5つの区役所分を新たに用意されるまで当然分割はできません。
つまり、大阪市を解体・再編した後しばらくは、
大阪府庁 ⇔ 一部事務組合 ⇔ 各特別区役所
という形になる予定だったわけです。
この事実を知らない人は、投票後でさえかなりいました。
関係者の証言
当時の大阪維新の会・政策特別顧問だった佐々木信夫教授は、以下の様に語っています。
自治制度と
経済成長は、あまり関係がないというわけです。
そもそも、「神奈川県と横浜市」「兵庫県と神戸市」「京都府と京都市」など、
府県と政令指定都市が混在する都市は、日本に複数あります。
また、
「大阪の特別区は、東京23区より権限を強くする予定だ!」という話もあるのですが、
佐々木教授の言うように、特別区の権限強くしたら、逆に二重行政の解消にならないじゃん!
こう考えると、
「行政の効率化」も本当の目的ではないのでしょう。
今日の駄文
長くなったので、今日はここまで。( -_-)
当時叫ばれていた
「大阪都構想の意義」は、ほぼ中身が無かったというこです。
二重行政の槍玉に挙げられていた
大阪市立図書館と
大阪府立図書館は、
両方とも利用率が高いので、結局どちらも残すことになってましたし。
また、大阪市と大阪府の喧嘩の産物とされていた
りんくうゲートタワービルと
大阪府咲洲庁舎(WTCタワー)は、
どちらも民間が建設を始めた物でした。
(バブル崩壊後、民間が倒れたので行政が買い取ったもの。)
この辺りの事実が、投票日前に広まって、否決されたわけですけどね。
投票や選挙は、内実を熟議したうえで行ってほしいものです。
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