2019年12月23日放送「Qさま!!」
見た番組は、これ。
テレビの情報の歪みの問題点は、
あからさまな嘘ではなく
「虚実を織り交ぜて視聴者に誤解させる」形を取っていること。
「デンマーク」を答えさせる問題で
答えが「デンマーク」になる問題で流れた映像がこちら。
この映像だけ見ると、
「日本は消費税が少なく、社会保障を充実させるには、更なる消費増税が必要!」
と受け取れてしまいます。
けれど、これは
全て間違い!
消費税
そもそも税金の役割は、
財源ではなく、物価や景気の調整であり、
税の役割から見ると、
消費税は欠陥税である。
・・・ということは、この辺の記事で散々書いたので、今日は割愛。
⇒『
国民経済を知ろう(税金の役割)』
消費税収が税収全体に占める割合
まず、消費税の負担を見るには税率で見てはいけません!
税収全体に占める消費税収の割合で見ます。
日本では、
電気・ガス・水道などのライフラインにも
消費税がかかるわけですから、高くなって当然です。
※)グラフは 2015年のデータを使用しているので、
日本の「税率10%」の部分は、推計値だと思います。
実際に消費税が 10% になった日本は、以下のようになりました。
消費税収 |
21兆7190億円 |
税収全体 |
63兆5130億円 |
消費税収の占める割合 |
34.2% |
消費税収の負担は世界一になりましたね。
しかも 2019年は、消費税率が 10% の期間が 10~12月の 3ヶ月だけです。
2020年は、より高負担になるでしょう。
デンマークと日本の消費増税の影響の違い
消費税というのは、国内で財やサービスを買ったときにかかります。
ということは、
海外が買った場合(輸出)には消費税はかかりません。
デンマークは内需が小さいため、
消費税が経済全体(≒GDP)に与える影響が小さくて済むわけです。
しかし、日本は輸出の割合が小さく、
個人消費が 300兆円(GDPの 6割)と巨大なため、
消費税が
経済に与える影響は非常に大きくなります。
※)
「日本は輸出により経済成長した」なんて学校で教わった人は多いかもしれませんが、これは間違い。
日本の輸出依存は高度成長期も 15%程度で、日本は内需の拡大により成長していました。
デンマークのインフレ率と消費税率
「税金は物価調整の手段である」ということが、よく分かるグラフがあります。
まずは、
デンマークのインフレ率。
そして、次は
消費税(付加価値税)の税率の推移です。
デンマークは、
インフレ率が高いときに消費税率を上げています。
・・・インフレ率 10% というのは、明らかに悪性のインフレですね。
インフレというのは、
供給不足(=需要過多)のときにおきるので、
悪性のインフレ時に、需要を抑制する消費増税は一定の合理性があります。
(本来は、供給能力の方を引き上げるべきですけどね。)
でも日本は今、
デフレじゃん!
政府支出とインフレ抑制
国内の供給能力以上に、支出が大きくなると
「供給 < 需要」の状態になり、インフレ圧力が大きくなります。
つまり、デンマークでは
政府「俺たちが福祉のために支出を大きくするから、君たちは支出を抑えてね」
という理由で、税率を高く設定しているわけです。
決して、
財源確保のためではないのです。
しかも日本の場合は、
供給能力が大きく、インフレ率が低いため(というか今はデフレ)
社会福祉充実のために消費増税をする必要はないわけです。
けど、世界一の高負担まで引き上げちゃいましたね(*'-')アホカ!
仮に、税収を財源として見た場合の消費増税の影響
ちなみにですが、税収のシミュレーションは以下のようになるそうです。
財源として見た場合でもダメダメでした。
二重の意味でアホなことする国だ(*'-')
今日の駄文
私もクイズやクイズ番組は好きなので、よく見るのですが、
クイズで問われるのは「知識」であって、必要なのは
情報の検索力でしかありません。
クイズでは、
インテリジェンスや
情報リテラシーといったものは
鍛えることができないわけです。
そして、テレビは報道機関ではなく、
広告 and プロパガンダ機関というのは周知の事実。
テレビ局が作ると、クイズ番組の情報でさえも歪むのだなぁ・・・というのが感想です。
せめてクイズ番組くらいは、中立に作ってほしいところ。
クイズ番組を見てバカになる国なんて、洒落にならんですよ(*'-')
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