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東からの放浪者

様々なソフトウェア開発を経験してきた視点から、開発、マネジメント、経済などについて書いています。
タイトルは、あるレトロゲームからのオマージュ。

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テレビのクイズ番組が流す情報も歪んでいた件

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テレビのクイズ番組が流す情報も歪んでいた件

テレビのニュース番組・報道番組で流れている情報が、
歪んでいたり、薄っぺらかったりするのは日常茶飯事。

ですので、私がそういう番組を自分から積極的に見ることはありません。
けど、バラエティ番組は、たまに見るんです。

ただ、年末にやっていた番組を見て「クイズ番組の情報も歪んでるなぁ」
と思ったことがあったので、今日は今更ながらその件。

2019年12月23日放送「Qさま!!」

見た番組は、これ。

カズレーザーvs宇治原vs伊沢拓司
今年最後の芸能界インテリ大決戦!
「2019年ニュースの主役」3時間半スペシャル

https://www.tv-asahi.co.jp/qsama/backnumber/0033/

テレビの情報の歪みの問題点は、
あからさまな嘘ではなく「虚実を織り交ぜて視聴者に誤解させる」形を取っていること。

「デンマーク」を答えさせる問題で

答えが「デンマーク」になる問題で流れた映像がこちら。

Qさま

この映像だけ見ると、
「日本は消費税が少なく、社会保障を充実させるには、更なる消費増税が必要!」
と受け取れてしまいます。

けれど、これは全て間違い!

消費税

そもそも税金の役割は、財源ではなく物価や景気の調整であり、
税の役割から見ると、消費税は欠陥税である。

・・・ということは、この辺の記事で散々書いたので、今日は割愛。
⇒『国民経済を知ろう(税金の役割)

消費税収が税収全体に占める割合

まず、消費税の負担を見るには税率で見てはいけません!
税収全体に占める消費税収の割合で見ます。

editor:日本の消費税収は福祉国家デンマークより多い、高所得層より低所得層から4.5倍も収奪する消費税増税は生活を破壊するだけ


日本では、電気・ガス・水道などのライフラインにも
消費税がかかるわけですから、高くなって当然です。

※)グラフは 2015年のデータを使用しているので、
  日本の「税率10%」の部分は、
推計値だと思います。

実際に消費税が 10% になった日本は、以下のようになりました。

【図解・行政】2020年度予算案・国の税収推移(2019年12月)
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_yosanzaisei20191220j-05-w360

消費税収 21兆7190億円
税収全体 63兆5130億円
消費税収の占める割合 34.2%

消費税収の負担は世界一になりましたね。
しかも 2019年は、消費税率が 10% の期間が 10~12月の 3ヶ月だけです。
2020年は、より高負担になるでしょう。

デンマークと日本の消費増税の影響の違い

消費税というのは、国内で財やサービスを買ったときにかかります。
ということは、海外が買った場合(輸出)には消費税はかかりません。

デンマークの経済社会について:GDPに占める財・サービス輸出の比率(実質)
(引用:国土交通省 国土政策局 より)

デンマークは内需が小さいため、
消費税が経済全体(≒GDP)に与える影響が小さくて済むわけです。

しかし、日本は輸出の割合が小さく、個人消費が 300兆円(GDPの 6割)と巨大なため、
消費税が経済に与える影響は非常に大きくなります。

※)
「日本は輸出により経済成長した」なんて学校で教わった人は多いかもしれませんが、これは間違い。
日本の輸出依存は高度成長期も 15%程度で、日本は内需の拡大により成長していました。

デンマークのインフレ率と消費税率

「税金は物価調整の手段である」ということが、よく分かるグラフがあります。
まずは、デンマークのインフレ率

世界経済のネタ帳:デンマークのインフレ率の推移(1980~2019年)
(引用:世界経済のネタ帳 より)


そして、次は消費税(付加価値税)の税率の推移です。

財務省:諸外国における付加価値税の標準税率の推移
(引用:財務省 より)

デンマークは、インフレ率が高いときに消費税率を上げています。
・・・インフレ率 10% というのは、明らかに悪性のインフレですね。

インフレというのは、供給不足(=需要過多)のときにおきるので、
悪性のインフレ時に、需要を抑制する消費増税は一定の合理性があります。
(本来は、供給能力の方を引き上げるべきですけどね。)

インフレ圧力とデフレ圧力

でも日本は今、デフレじゃん!

政府支出とインフレ抑制

国内の供給能力以上に、支出が大きくなると
「供給 < 需要」の状態になり、インフレ圧力が大きくなります。

つまり、デンマークでは

政府「俺たちが福祉のために支出を大きくするから、君たちは支出を抑えてね」

という理由で、税率を高く設定しているわけです。
決して、財源確保のためではないのです。

しかも日本の場合は、供給能力が大きく、インフレ率が低いため(というか今はデフレ)
社会福祉充実のために消費増税をする必要はないわけです。

けど、世界一の高負担まで引き上げちゃいましたね(*'-')アホカ!

仮に、税収を財源として見た場合の消費増税の影響

ちなみにですが、税収のシミュレーションは以下のようになるそうです。

藤井聡 (facebook-20191222):総税収シミュレーション
(引用:「新」経世済民新聞 より)

財源として見た場合でもダメダメでした。
二重の意味でアホなことする国だ(*'-')

今日の駄文

私もクイズやクイズ番組は好きなので、よく見るのですが、
クイズで問われるのは「知識」であって、必要なのは情報の検索力でしかありません。

クイズでは、インテリジェンス情報リテラシーといったものは
鍛えることができないわけです。

そして、テレビは報道機関ではなく、広告 and プロパガンダ機関というのは周知の事実。
テレビ局が作ると、クイズ番組の情報でさえも歪むのだなぁ・・・というのが感想です。

せめてクイズ番組くらいは、中立に作ってほしいところ。
クイズ番組を見てバカになる国なんて、洒落にならんですよ(*'-')
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プロフィール

HN:
なかば
性別:
男性
職業:
元ソフトウェアエンジニア
自己紹介:
東京のゲーム会社でゲームプログラマ。
家電メーカーで組み込みエンジニア。
その後、京都に移動して観光を楽しみながら
製品開発、業務改善、QA管理などを経験。
今は東京に戻って暮らしています。

詳細な自己紹介は、こちら

ブログ紹介

管理人(なかば)の個人ブログです。

もともと、以前の職場で投稿していた社内ブログの延長で書き始めました。
エンジニア仲間に向けた雑な口調はそのままにしていますが、その辺は気にせず読んでもらえると嬉しいです(*'-')

諸事情により更新を停止していますが、生きています。そのうち再開する予定です。

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