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東からの放浪者

様々なソフトウェア開発を経験してきた視点から、開発、マネジメント、経済などについて書いています。
タイトルは、あるレトロゲームからのオマージュ。

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中央銀行の誕生と税金の役割

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中央銀行の誕生と税金の役割

今日も税金ネタを書いてみる(*'-')

税金の役割を語る上で、重要になるのが中央銀行。
そして、世界初の中央銀行は、イギリスにあるイングランド銀行だとされています。

当時のイギリスが世界の覇権を取ったのも、その後、イギリスで産業革命が起きたのも、
中央銀行の誕生があったからこそです。

そして重要なのは、中央銀行の誕生と共に税金の役割が変わったということです。

政府の資金調達方法

中央銀行の設立前

中世は、使われているお金が金貨・銀貨でした。
そして、この頃は戦争が大規模化して、どの国の政府も財政難でした。

つまり、国債を発行して資金を調達する必要があったわけです。
そして、その返済に充てられたのは国民からの税金です。

中央銀行の設立前

まぁ、当たり前ですね。

ただし!現代では、このプロセスは当たり前ではなくなっています。
しかし、未だに国債は税金で返さないといけない、と思ってる人が多いんです。

中央銀行の設立後

金貨・銀貨は、税金で徴収するか、他国から奪ってくるかしないと増やせません。
しかし、中央銀行が設立され、紙幣(=約束手形)がお金として流通するようになると、
政府は理論上、無限に資金が調達できるようになりました。

中央銀行の設立後

実際の国債発行は、こんな単純ではないですが・・・

※参考 ⇒ 国民経済を知ろう(国債の発行)

金融の発達により、イギリスは戦費調達を容易にし、世界の覇権を取りました。
また、投資の財源確保も容易になり、産業革命の下地を作りました。

国債発行の制約条件

じゃぁ、国債をガンガン発行すれば、国民全員が大金持ちだ(*'-')

そうは問屋が卸さない。無限に発行できると言っても、あくまで理論上の話です。
実体経済に必要以上のお金が流通するようになると、何がおきるか?

余り余ったお金が、消費や投資に向かえば、悪性のインフレ
(賃金上昇が、物価上昇に追い付かないインフレ)
投機に向かえば、バブルが起きます。

逆に言えば!

インフレにならない限り、国債は発行できるということになります。
つまり現代において、国債発行の制約条件は、インフレ率のみ、なのです。
(自国通貨建て国債に限りますが)

国債残高も、負債対GDP比率も、実は制約条件にはなりません。
通貨発行権がある限り、債務不履行になることはないので。

※参考 ⇒ 返済負担のない負債

税金の役割

こういう話をすると、

そんなことが可能なら、日本は無税国家になれるな(  ̄ー ̄)

と言う人がいるのですが、残念ながらなれません!

義務教育で習っていると思いますが、税金の目的は再分配です。
では、なぜ再分配をするのか?

格差の是正

ひとつは格差の是正です。

フランスの経済学者トマ・ピケティが著書21世紀の資本(みすず書房)で、
資本主義経済には以下の特徴がある、ということを明らかにしました。

r(資本収益率) > g(経済成長率)

平たく言うと、資本を多く持っている奴が得ってことですね。
資本家が経済成長した分以上の利益を持って行ってしまうので、
放っておくと格差は拡大するのです。

そして、格差拡大は経済を停滞させます。
それは国際闇金・・・もとい国際通貨基金(IMF)も認め始めています。

所得格差は経済成長にマイナス作用の可能性=IMF調査報告
https://jp.reuters.com/article/l3n0lv5ku-imf-inequality-idJPTYEA1Q00420140227

消費性向

格差拡大が経済を停滞させる要因のひとつに消費性向があります。
消費性向とは、所得のうち消費に回す割合です。

  • 富裕層は、所得は大きいが消費性向が低い。
  • 貧困層は、消費性向は大きいが、もともとの所得が低く消費額は小さい。
  • 中間層は、消費性向がそこそこ大きく、消費額もそこそこ大きい。

先進国は GDP のうち6割以上を個人消費が占めているので、
格差が拡大し、中間層が減ってしまうと経済が停滞してしまうのです。

一億総中流を目指したかつての日本が、高度経済成長した理由も頷けます。

ビルトイン・スタビライザー

税金のもうひとつの役割は、景気の安定化装置としての役割です。

景気が悪くなり、失業者や赤字企業が増えた場合、
所得税や法人税は、免除もしくは軽減され、生産活動への復帰が容易になります。

また、景気が過熱した場合、税金の負担が高くなり、消費や投資が抑えらます
結果、悪性のインフレやバブルが抑制されます。

税金がなくなってしまうと、この機能が失われてしまうため、
中央銀行があっても無税国家にはなれないのです。

※税金の役割については「国民経済を知ろう(税金の役割)」で、改めてまとめてみました。

今日のまとめ

  • 中央銀行の設立により、政府は新たな資金調達方法を得た
  • 中央銀行の設立により、国債発行の制約条件はインフレ率のみになった
  • 中央銀行の設立により、税金は景気調整機能の役割が大きくなった

さて、税金には景気調整機能があると書きましたが・・・
その機能がない税金があるのです。

そう消費税!

消費税は消費性向の高い貧困層に負担が高く
失業者や赤字企業からも容赦なく徴収されるので、欠陥税なのです。

しかも、中央銀行が誕生してから 300年、未だに経済学がこの変化に対応しておらず、

国債発行を抑制しないと財政破綻する!

国債を返済するために消費増税を!

なんてことをデフレの日本でやっているのだから手に負えません。┐(=_= ;)┌
確かに、中央銀行の誕生で税金の役割は変わっていた!と思われた方は、バナーをクリック!
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コメント

プロフィール

HN:
なかば
性別:
男性
職業:
元ソフトウェアエンジニア
自己紹介:
東京のゲーム会社でゲームプログラマ。
家電メーカーで組み込みエンジニア。
その後、京都に移動して観光を楽しみながら
製品開発、業務改善、QA管理などを経験。
今は東京に戻って暮らしています。

詳細な自己紹介は、こちら

ブログ紹介

管理人(なかば)の個人ブログです。

もともと、以前の職場で投稿していた社内ブログの延長で書き始めました。
エンジニア仲間に向けた雑な口調はそのままにしていますが、その辺は気にせず読んでもらえると嬉しいです(*'-')

諸事情により更新を停止していますが、生きています。そのうち再開する予定です。

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