政府の資金調達方法
中央銀行の設立前
中世は、使われているお金が
金貨・銀貨でした。
そして、この頃は戦争が大規模化して、どの国の政府も財政難でした。
つまり、
国債を発行して資金を調達する必要があったわけです。
そして、その返済に充てられたのは国民からの
税金です。
まぁ、当たり前ですね。
ただし!現代では、このプロセスは当たり前ではなくなっています。
しかし、未だに国債は税金で返さないといけない、と思ってる人が多いんです。
中央銀行の設立後
金貨・銀貨は、税金で徴収するか、他国から奪ってくるかしないと増やせません。
しかし、中央銀行が設立され、
紙幣(=約束手形)がお金として流通するようになると、
政府は理論上、無限に資金が調達できるようになりました。
実際の国債発行は、こんな単純ではないですが・・・
※参考 ⇒
国民経済を知ろう(国債の発行)
金融の発達により、イギリスは
戦費調達を容易にし、世界の覇権を取りました。
また、
投資の財源確保も容易になり、産業革命の下地を作りました。
国債発行の制約条件
じゃぁ、国債をガンガン発行すれば、国民全員が大金持ちだ(*'-')
そうは問屋が卸さない。無限に発行できると言っても、あくまで理論上の話です。
実体経済に必要以上のお金が流通するようになると、何がおきるか?
余り余ったお金が、
消費や投資に向かえば、
悪性のインフレ。
(賃金上昇が、物価上昇に追い付かないインフレ)
投機に向かえば、
バブルが起きます。
逆に言えば!
インフレにならない限り、国債は発行できるということになります。
つまり現代において、国債発行の制約条件は、
インフレ率のみ、なのです。
(自国通貨建て国債に限りますが)
国債残高も、負債対GDP比率も、実は制約条件にはなりません。
通貨発行権がある限り、債務不履行になることはないので。
※参考 ⇒
返済負担のない負債
税金の役割
こういう話をすると、
そんなことが可能なら、日本は無税国家になれるな(  ̄ー ̄)
と言う人がいるのですが、残念ながら
なれません!
義務教育で習っていると思いますが、税金の目的は
再分配です。
では、なぜ再分配をするのか?
格差の是正
ひとつは
格差の是正です。
フランスの経済学者
トマ・ピケティが著書
『21世紀の資本(みすず書房)』で、
資本主義経済には以下の特徴がある、ということを明らかにしました。
r(資本収益率) > g(経済成長率)
平たく言うと、資本を多く持っている奴が得ってことですね。
資本家が経済成長した分以上の利益を持って行ってしまうので、
放っておくと格差は拡大するのです。
そして、
格差拡大は経済を停滞させます。
それは国際闇金・・・もとい国際通貨基金(IMF)も認め始めています。
消費性向
格差拡大が経済を停滞させる要因のひとつに
消費性向があります。
消費性向とは、所得のうち消費に回す割合です。
- 富裕層は、所得は大きいが消費性向が低い。
- 貧困層は、消費性向は大きいが、もともとの所得が低く消費額は小さい。
- 中間層は、消費性向がそこそこ大きく、消費額もそこそこ大きい。
先進国は GDP のうち6割以上を
個人消費が占めているので、
格差が拡大し、中間層が減ってしまうと経済が停滞してしまうのです。
一億総中流を目指したかつての日本が、高度経済成長した理由も頷けます。
ビルトイン・スタビライザー
税金のもうひとつの役割は、
景気の安定化装置としての役割です。
景気が悪くなり、失業者や赤字企業が増えた場合、
所得税や法人税は、免除もしくは軽減され、
生産活動への復帰が容易になります。
また、景気が過熱した場合、税金の負担が高くなり、
消費や投資が抑えらます。
結果、悪性のインフレやバブルが抑制されます。
税金がなくなってしまうと、この機能が失われてしまうため、
中央銀行があっても無税国家にはなれないのです。
※税金の役割については「国民経済を知ろう(税金の役割)」で、改めてまとめてみました。
今日のまとめ
- 中央銀行の設立により、政府は新たな資金調達方法を得た
- 中央銀行の設立により、国債発行の制約条件はインフレ率のみになった
- 中央銀行の設立により、税金は景気調整機能の役割が大きくなった
さて、税金には景気調整機能があると書きましたが・・・
その機能がない税金があるのです。
そう
消費税!
消費税は消費性向の高い
貧困層に負担が高く、
失業者や赤字企業からも容赦なく徴収されるので、
欠陥税なのです。
しかも、中央銀行が誕生してから 300年、未だに経済学がこの変化に対応しておらず、
国債発行を抑制しないと財政破綻する!
国債を返済するために消費増税を!
なんてことを
デフレの日本でやっているのだから手に負えません。┐(=_= ;)┌
確かに、中央銀行の誕生で税金の役割は変わっていた!と思われた方は、バナーをクリック!
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