久しぶりに国民経済の話。
以前、国民経済に関する基礎を 2 回にわたって書きました。
今日は、この続きです。
バブル崩壊と財政出動
『
国民経済を知ろう(経済循環)』の回で、以下のような図を書きました。
バブルが崩壊すると、銀行への
借金返済や預金が増え、
銀行融資が減るため、
政府が
国債を発行し、
財政出動をすることによって、景気が持ち直されます。
逆に、ここ 20 年の政府のように、
緊縮財政を行っていると、
いつまでもデフレのままなわけです。
まってくれ、政府は赤字を続けても大丈夫なの?
国債って政府の負債でしょ。返せなくなる、つまり財政破綻するんじゃないの?(*'-')
自国通貨建て国債のデフォルトはあり得ない
日本政府発行している国債は、
100%日本円建てです。
つまり、こうなります。
※デフォルト=債務不履行
日銀は通貨を発行し、国債を買い取ることができます。
※日銀の発行した通貨は、金融機関に直接渡されるのではなく、当座預金に積まれます。
その辺りの細かい手続き上のことは、図には入りきらないので省略してあります。
まだ、よく分かんないんだけど。
なんで、この図だと財政破綻しなくなるの?(*'-')
返済負担のない負債
世の中には、
返済負担のない負債があります。
家計の場合
一番身近な家計だと、こんな感じです。
旦那さんが、奥さんからお金を借りました。
しかし、この負債を返そうが、返すまいが、A家の家計に変化はありません。
(夫婦仲に変化はあるかもしれませんが・・・)
企業の場合
次に、親会社と子会社での貸し借りの場合。
親会社の負債を、子会社が支払った場合、
この時点で親会社の返済負担は実質なくなります。
連結決算で相殺されるためです。
返済してもよいのですが、企業内で資金が移動しているだけなので、
外部から見たら、何の変化もありません。
政府の場合
中央政府と日本銀行は、親会社と子会社の関係です。
この 2 つを合わせて、
統合政府と呼びます。
日銀が買い取った国債については、中央政府は実質、返済負担はないわけです。
ちなみに、マスコミや政治家や
経済学者も、この辺りのことが分かってない人が多いのです。
だから、こんな報道がされちゃうわけですね。
ちなみに、日本の財政を担う
財務官僚たちも分かっていません。
上記ページ内には「日本の公債残高は、年々、増加の一途をたどっています。」
と書かれていますが、実際にはこうです。
日本銀行所有の国債・財投債・国庫短期証券と日銀以外保有分(億円)
橙色の部分が日銀保有分なので、政府の実質的な返済負担は
青い部分のみです。
これだけ減りました。日銀が通貨を 300 兆円も発行したので、当たり前ですね。
今日のまとめ
- 親会社と子会社の間での貸し借りは、連結決算で相殺される。
- 日銀が保有している国債について、日本政府に実質、返済負担はない。
- 自国通貨建て国債によるデフォルトはあり得ない。
今回は、知っている人にとっては、ごく当たり前の話でした。
ちなみに、マスコミや財務省が使っている
「国の借金」という言葉は、
経済の用語には存在しません。
正確には「
政府の負債(Government Debt)」です。
こんな恥ずかしい誤訳を使い続けないでほしい(*'-')
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