忍者ブログ

東からの放浪者

様々なソフトウェア開発を経験してきた視点から、開発、マネジメント、経済などについて書いています。
タイトルは、あるレトロゲームからのオマージュ。

ツイッターアカウントはこちら。

国民経済を知ろう(所得と税収)

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

国民経済を知ろう(所得と税収)

国民経済は、学問的な小難しいことを知らなくても理解できる。

国民経済を理解していないと、家計簿の発想で経済全体を見てしまい、
「間違った経済記事」「間違った経済政策」などを信じ込んでしまいます。

日本が 20 年もデフレから抜けられないのは、
国民が極々基本的なことを理解していないから、という気がしています。

国民経済と家計簿の違いを知ろう

誰かの支出は、誰かの所得

家計簿では、
「所得を増やす = 良い事」「支出を増やす = ダメな事」
と別々に考えます。

しかし、国民経済では安易に支出削減をしてはいけません。
なぜなら、他の誰かの所得が減ってしまうからです。

誰かの支出は誰かの所得

右側の人が支出を半分にすれば、左側の人の所得も半分になります。
(この画では税金は加味していません。)

税収の発生

税収は、政府の歳入の大部分を占めます。
国民経済を考えるとき、税収は大切な要素です。

では、税収というのは、どういうときに発生するのか?

税収の発生 

見て分かるように、ほとんどの税収は、誰かがお金を使ったときに発生します。
(日本の三大税収は、所得税・法人税・消費税)

そして、「誰かの支出は、誰かの所得」であるため、
税収は、誰かが所得を得たときに発生する、と言ってもよいと思います。

税率と税収は、あまり関係がない

なので、よく言われている「財源不足なので増税を」というのが、
おかしな発想であるかが分かります。

増税する → 国民が支出を減らす → 誰かの所得が減る → 税収が減る

ということになり兼ねないからです。

実際、1997 年に消費税が「3% → 5%」に引き上げられたときは、
一般会計税収が 4 兆円以上落ち込みました。

一般会計税収の推移(1987~2017年度)
一般会計税収の推移(1967-2017)
(引用:財務省ホームページ「税収に関する資料」より)

グラフをよく見ると、消費税が 8% になった 2014 年も、翌年には、
法人税収が落ち込み、その翌年には所得税収が落ち込んでいるのが分かります。

消費増税 → 国民が消費を減らす → 企業の収益が悪化する
→ 法人税収が減る 
→ 社員の給与が減る → 所得税収が減る

という悪循環が発生していることが読み取れます。

実際に、このときは個人消費が約 3%(約 8 兆円)減りました。
増税した意味が全くねぇ(*'-')

税収と相関が強いのは、名目GDP

税収と一番相関があるのは、名目GDP と言われています。
(名目GDP は、国内における所得の合計を表します。)

日本の名目GDPと政府の租税収入の推移(単位:十億円)
新世紀のビッグブラザーへ:日本の名目GDPと政府の租税収入の推移(単位:十億円)

まさに、所得が税収を生み出していることが分かります。
(バブル期などは、固定資産税が税収を押し上げることもあります。)

財源を確保したい場合は、
「所得を減らさない = 支出を減らさない」ことが大事なわけです。

所得が、次の所得を生む

所得を得た人は、その所得を元に支出をします。
(巨額な場合は、銀行融資などを受ける場合もありますが)

所得の連鎖

 最初の「個人・企業」が支出を止めてしまうと、
その後の所得が全て生まれない、ということが分かります。

そして、支出は「個人・企業」だけでなく政府も行います。

政府支出と家計の支出の違い

「政府が支出を削る」ということは、国民の所得に大きな影響を与えます。
また、所得からは税収が発生するので、翌年の税収にも影響を与えます。

政府支出と税収

家計の場合、今年の支出を増やしたからといって、翌年の収入が増えるとは限りません。
しかし、政府の場合は異なるわけです。

そして、政府が支出を減らすということは、国民の所得が減るということです。
つまり、国民が貧乏になる、ということを意味ます。

バブル期など、政府が支出を抑えなければいけないときもありますが、
不景気のときにやってはいけません。

国民は、政治家が
「税収が足りないから・・・政府は支出を削減します!」
と発言したら

なんでやねん! ̄△ ̄)/-☆

と、ツッコめなければ、いけないわけです。

今日のまとめ

  • 誰かの支出は、誰かの所得
  • 所得が発生したとき、税収は発生する
  • 所得が次の所得を生み出す
  • 政府支出は、国民の所得、そして税収に影響する

私は、やたらと財政規律やら支出削減やら身を切る改革を訴える政治家には、
国民を煽ったり、誰かをやたらと攻撃したりする人が多い気がしています。

国民経済の観点から言っても、説明のつかない主張ですし、
国民に、

政府が支出削減をするということは、
俺たちの所得が減り、税収が減る危険があるということか!(゚ ロ ゚ )

などと冷静に考えられては困るから、という気がしています。
(などと冷静に考えてない政治家も多そうですが)
確かに、政府の収支を家計簿で考えてはいけない!と思われたかたは、バナーをクリック。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓


PR

コメント

プロフィール

HN:
なかば
性別:
男性
職業:
元ソフトウェアエンジニア
自己紹介:
東京のゲーム会社でゲームプログラマ。
家電メーカーで組み込みエンジニア。
その後、京都に移動して観光を楽しみながら
製品開発、業務改善、QA管理などを経験。
今は東京に戻って暮らしています。

詳細な自己紹介は、こちら

ブログ紹介

管理人(なかば)の個人ブログです。

もともと、以前の職場で投稿していた社内ブログの延長で書き始めました。
エンジニア仲間に向けた雑な口調はそのままにしていますが、その辺は気にせず読んでもらえると嬉しいです(*'-')

諸事情により更新を停止していますが、生きています。そのうち再開する予定です。

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30