国民経済と家計簿の違いを知ろう
誰かの支出は、誰かの所得
家計簿では、
「所得を増やす = 良い事」「支出を増やす = ダメな事」
と別々に考えます。
しかし、国民経済では安易に
支出削減をしてはいけません。
なぜなら、
他の誰かの所得が減ってしまうからです。
右側の人が支出を半分にすれば、左側の人の所得も半分になります。
(この画では税金は加味していません。)
税収の発生
税収は、政府の歳入の大部分を占めます。
国民経済を考えるとき、税収は大切な要素です。
では、税収というのは、どういうときに発生するのか?
見て分かるように、ほとんどの税収は、
誰かがお金を使ったときに発生します。
(日本の三大税収は、所得税・法人税・消費税)
そして、
「誰かの支出は、誰かの所得」であるため、
税収は、誰かが所得を得たときに発生する、と言ってもよいと思います。
税率と税収は、あまり関係がない
なので、よく言われている「財源不足なので増税を」というのが、
おかしな発想であるかが分かります。
増税する → 国民が支出を減らす → 誰かの所得が減る → 税収が減る
ということになり兼ねないからです。
実際、1997 年に消費税が「3% → 5%」に引き上げられたときは、
一般会計税収が
4 兆円以上落ち込みました。
一般会計税収の推移(1987~2017年度)
グラフをよく見ると、消費税が 8% になった 2014 年も、翌年には、
法人税収が落ち込み、その翌年には
所得税収が落ち込んでいるのが分かります。
消費増税 → 国民が消費を減らす → 企業の収益が悪化する
→ 法人税収が減る → 社員の給与が減る → 所得税収が減る
という悪循環が発生していることが読み取れます。
実際に、このときは個人消費が
約 3%(約 8 兆円)減りました。
増税した意味が全くねぇ(*'-')
税収と相関が強いのは、名目GDP
税収と一番相関があるのは、
名目GDP と言われています。
(名目GDP は、国内における所得の合計を表します。)
日本の名目GDPと政府の租税収入の推移(単位:十億円)
まさに、所得が税収を生み出していることが分かります。
(バブル期などは、固定資産税が税収を押し上げることもあります。)
財源を確保したい場合は、
「所得を減らさない = 支出を減らさない」ことが大事なわけです。
所得が、次の所得を生む
所得を得た人は、その所得を元に支出をします。
(巨額な場合は、銀行融資などを受ける場合もありますが)
最初の「個人・企業」が支出を止めてしまうと、
その後の所得が全て生まれない、ということが分かります。
そして、支出は「個人・企業」だけでなく
政府も行います。
政府支出と家計の支出の違い
「政府が支出を削る」ということは、国民の所得に大きな影響を与えます。
また、所得からは税収が発生するので、
翌年の税収にも影響を与えます。
家計の場合、今年の支出を増やしたからといって、翌年の収入が増えるとは限りません。
しかし、政府の場合は異なるわけです。
そして、政府が支出を減らすということは、
国民の所得が減るということです。
つまり、国民が貧乏になる、ということを意味ます。
バブル期など、政府が支出を抑えなければいけないときもありますが、
不景気のときにやってはいけません。
国民は、政治家が
「税収が足りないから・・・政府は支出を削減します!」
と発言したら
なんでやねん! ̄△ ̄)/-☆
と、ツッコめなければ、いけないわけです。
今日のまとめ
- 誰かの支出は、誰かの所得
- 所得が発生したとき、税収は発生する
- 所得が次の所得を生み出す
- 政府支出は、国民の所得、そして税収に影響する
私は、やたらと
財政規律やら
支出削減やら
身を切る改革を訴える政治家には、
国民を煽ったり、誰かをやたらと攻撃したりする人が多い気がしています。
国民経済の観点から言っても、説明のつかない主張ですし、
国民に、
政府が支出削減をするということは、
俺たちの所得が減り、税収が減る危険があるということか!(゚ ロ ゚ )
などと冷静に考えられては困るから、という気がしています。
(などと冷静に考えてない政治家も多そうですが)
確かに、政府の収支を家計簿で考えてはいけない!と思われたかたは、バナーをクリック。
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