前回の記事の最後に、
ホリエモンと
ひろゆきのコラムを載せました。
読めば読むほど、酷いコラムだな・・・と思ったんですが、
ほとんどの人って、このコラムのどこが酷いのか、具体的には分からないんじゃ・・・?
という疑念が出てきたので、解説することにしました。
「都市部まで共倒れ」の間違い
前回の復習も兼ねて、以下の部分。
ひろ そして、田舎の大して使わないインフラは、なくすのが賢明な気がしますけどね。今の日本は、一定の人口密度を満たさない地域は切り捨てて、都市部にいろいろな機能を集中していかなければならない状況ですから。地方のほとんど使われない公共インフラの整備に多くのお金を使ってたら、都心部まで共倒れしますよ。
東京の一極集中は、すでに限界を超えており、
低賃金競争を招き、それにより
婚姻率、
出生率が低下しています。
※2018/06/04 の記事 より
そして、ついに東京の経済は衰退を始めました。
→ 参考:
人口増加で衰退している東京
地方への人口の分散は、東京にとっても、日本全体にとっても、経済的によい影響を与えます。
しかし、ネックになっているのが地方の
老朽化したインフラです。
つまり、このまま
地方のインフラ整備をしないと、東京・地方は共倒れするわけです。
「限られた財源」の間違い
ホリ そう。これは限られた財源を「限界集落に使うか」それとも「将来のために使うか」って話なのに、なかなか理解してもらえないんだよな。
ホリエモンは、
財源が一定というおかしな前提で話をしています。
政府が支出を増やすと、税収が増える
「
国民経済を知ろう(所得と税収)」の記事で書いたように、
「誰かの支出は、誰かの所得」です。
逆に言えば、
誰かが使うお金の量を増やすと、誰かの所得が増えます。
そして、政府の税収は、この所得から支払われています。
そして、
所得の合計のことを
GDP といい、
GDP が成長することを
経済成長といいます。
つまり、
「財源を確保するために、何かの支出を削る」という発想は間違いで、
「支出を増やすと、経済が成長し、財源が増える」というのが正解です。
つまり、他の予算を削る必要はなく、地方のインフラ整備を追加で行えばよいのです。
特に今は、デフレで民間企業が投資を抑えているので、
政府が支出を増やす必要があります。
財源に関する間違い
最初に支出を増やすにしても、そのお金はどっから手に入れるんだ!?
やっぱり、何かの支出を削らないと・・・。
という話が、次に出てくると思います。
ひろ 年金の構造と一緒ですよね。このままいくと確実に子供や孫世代に大きな負担がかかる。だから年金を少しカットしようとするけれども、そうすると年金をもらっている世代が大反発する。
ひろゆきも同じ勘違いをしています。
まず根本的な間違いを指摘しておくと、年金とインフラ整備は、そもそも財源が異なります。
年金は、以下から支払いが行われます。
- 国民が毎年払っている保険料
- 国庫負担(税金)
- 年金積立金の運用収益
そして、インフラ整備の財源は、
建設国債です。
年金を削ることに意味はありません。
あと、年金の財源には、税金(消費税)も含まれているので、
年金受給者も自分たちで一部を負担をしているわけです。
財源を
「高齢者 対 若者」の構図で語るのが、そもそも間違いです。
お金に関する間違い
「財源 = 税金のみ」というのは間違いですし、
また「お金 = 量が一定」という前提も間違いです。
・・・その説明をしようと思ったのですが、
これを書き始めると長くなる・・・と気付いたので、今日はここまでにします。
(というわけで、
次回に続く)
今日のおまけ
経済以外の観点においても、2人のコラムは穴だらけです。
ホリエモンにしろ、ひろゆき氏にしろ、
安全保障の概念がすっぽり抜けているのです。
都市への集中が進むと、
防災安全保障上のリスクが大きくなります。
特に、日本の都市は、ほとんどが河口に作られているため非常に地震に弱いのです。
また
防衛安全保障上のリスクも高まります。
人がいなくなった土地を侵略するなんて、簡単ですから。
そもそも、日本海側のインフラ整備が後回しになっていたため、
防衛が手薄になり、こういう問題が起きたわけでしょうに。
地方のインフラ整備の問題は、実はいろいろな問題と繋がっています。
様々な物事の繋がりを理解することが
「情報を読む力」の本質だと思うのですが、
巷で「情報化社会の申し子」とか言われているこの2人も、
結局、情報を読む力に関しては、ワイドショーのコメンテータレベルだったわけですね。
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