前回は、「日本の高度経済成長は、
人口増加ではなく、
人手不足によるものだった」
ということを書きました。
つまり、人口が増加しても、それを受け止めるだけの雇用がないと、経済成長は鈍化します。
下手すると、経済が衰退することもあり得ます。
そして、その良い例が身近にありました。
東京都です。
人口流入でマイナス成長の東京都
三橋貴明氏によると、2014 年の消費増税以降、
東京都はマイナス成長らしいです。
※YouTube の動画が削除されていたので、ニコニコ動画の方も貼っておきます。(2020-09-29)
これは、東京都の HP にもデータが掲載されていました。
実質経済成長率の推移(%)
|
東京都 |
全国平均 |
2010年(平成22年) |
1.2 |
3.5 |
2011年(平成23年) |
2.1 |
0.4 |
2012年(平成24年) |
0.4 |
0.9 |
2013年(平成25年) |
2.0 |
2.0 |
2014年(平成26年) |
-0.7 |
-0.9 |
2015年(平成27年)※速報値 |
-0.3 |
0.9 |
2016年(平成28年)※見込値 |
-1.1 |
0.9 |
都内総生産とは、都内の
所得の合計のことです。
そして、所得の合計が減っているのに、東京都には
毎年10万人以上が流入しています。
日本の都道府県間の人口移動(人)
減少するパイの奪い合いになる。貧困の若者も増えるわけです(*'-')
貧困層が増えれば、その地域のサービス産業も儲からないので、
人口が増えても、経済は下降していきますね。
逆に人口の減っている
地方の方が成長しているという皮肉。
誰ですか?人口が減るからデフレになる、なんて言ってたのは。
東京は暮らしにくい街になっている?
そして、人が多いだけに東京都は
失業率も高めです。
日本の都道府県別失業率(17年10-12月期)
確かに、東京以上に失業率の高い都道府県もあります。
しかし!東京がずば抜けて悪い数値が他にあります。
出生率です。
2015年のデータによると、東京は
1.17。(全国平均は 1.46)
東京だけが 1.20 を切っています。
婚姻率が低いのか、
有配偶出生率が低いのかまでは調べていないのですが(※)、
少なくとも、結婚して子供を育てる環境として、東京を選択するのは悪手です。
※)こちらの記事で調べてみました。
2019年問題が、東京により深刻なダメージを与える
日本経済には、
2019年問題があると言われています。
それは、以下の経済的マイナス要因が、2019年に重なることを指します。
- 東京オリンピック特需が終了する。
- 実質賃金の上昇がないまま、残業規制が始まる。
- 消費税が 10% に上がるかもしれない。
- 日銀の量的緩和が限界に来るかもしれない。
特に (3) の消費増税が実施されれば、
東京は、他の都道府県よりも深刻なダメージを受けるでしょう。
なぜなら、東京はサービス産業の割合が高い
「消費の街」だからです。
所得のパイがより小さくなる。人口は増える。
最悪ですね。地元で就職した方が、きっと幸せだぞ(*'-')
おまけ
都道府県別の年収とかを比較しようかと思ったんですが、
なかなか良いデータがなかったので、またの機会にします。
(平均値より中央値がほしかったので)
代わりに、先の失業率が低い都道府県の
高卒内定率を調べてみました。
(島根県では高卒が「金の卵」と呼ばれている、という話を聞いたので)
平成29年3月高等学校卒業予定者の
県内就職内定率(%)
島根県 |
95.7 |
鳥取県 |
96.3 |
福井県 |
96.0 |
岩手県 |
95.1 |
和歌山県 |
85.9 |
三重県 |
94.8 |
山形県 |
94.1 |
石川県 |
95.6 |
岐阜県 |
94.1 |
滋賀県 |
91.5 |
|
|
東京都 |
82.5 |
|
|
全国平均 |
89.7 |
和歌山県以外は、全国平均を大きく上回っています。
(なんで和歌山は低いんだろうか・・・?)
そして、失業率の低い都道府県は、
出生率も全国平均を上回っています。
職があり、物価も家賃も低いのだから、当たり前ですね。
人手不足は、基本的に労働者にとってはよい環境なのです。
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14. 無題
>
> 大阪も人口増加してますが東京ほど激しくなく至って普通です。物価も。
> 本当に心配なのは万博を控えているのでそれに伴う地価の高騰ですね。
確かに、東京に投資が集中しすぎているので、逆に大阪や西日本への投資は日本全体にとってもよいと思います。
国際的なイベントでの地価上昇、その後の経済成長の下落は、一時的とはいえ対策はほしいですね。