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東からの放浪者

様々なソフトウェア開発を経験してきた視点から、開発、マネジメント、経済などについて書いています。
タイトルは、あるレトロゲームからのオマージュ。

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「人口増加で高度経済成長した」はウソだった

よく、以下のような論調を目にします。

日本は人口増加で高度成長した。今は人口減少だから衰退する。

私は、人口の増減と経済成長は相関が低いことを知っているので、
こんな恥ずかしいことは言わないのですが、
マスコミや政治の世界には、平気でこういう間違いを言う人がいるのです。

「人口減少でデフレになる」はウソ

まず、経済が成長しない原因はデフレだからです。
デフレの国は経済成長できません。(← 今回のテーマではないので詳しい話は、また今度)

さて、人口が減少するとデフレになるのか?

まぁ、もうずいぶん昔に否定された話なんで今更ですが、
廣宮孝信さんの記事を紹介しておきます。(2010年頃の記事です)

「人口減少でデフレ」はウソです
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-362.html

以下の表は、上記ブログ記事に掲載されていたものです。

廣宮孝信の「国の借金」“新常識”:日本より人口増加率が小さい国の経済指標

見ての通り、人口の増減と経済成長(上記だと「実質GDP増加率」)は、相関が低いのです。

しかも、日本がデフレで経済成長しなくなったのは 1997年からです。
その頃の日本は、まだ人口が増えていたので、冷静に考えれば当たり前ですね。

日本の高度経済成長期は超人手不足だった

まず「人口増加=いいこと」という画一的な言われ方をしますが、そうでしょうか?

人口増加が問題になるときがある

いま地球上で最も人口増加の激しい地域はアフリカです。
そして、アフリカで一番問題になっているのは人口増加です。

ようするに失業者が溢れてしまっているわけです。
しかも、人が余っているので奴隷の如く買い叩かれてしまいます。

アフリカ移民が「奴隷市場で売られている」=国際機関
http://www.bbc.com/japanese/39574661

経済にとっていい状態とは、人口が増えていることではなく
「仕事(雇用)が十分にあること」です。

むしろ、人手不足の方が良い状態なのです。
なぜなら、賃金上昇圧力になるからです。

一人当たりの賃金が上昇すれば、人口が増えなくても経済成長するわけです。

賃金上昇圧力と賃金下落圧力 

高度経済成長期の日本の失業率

さて、高度経済成長期の日本は、どのような状態だったのか?

日本の高度成長期の完全失業率(単位:%)
新世紀のビッグブラザーへ:日本の高度成長期の完全失業率(単位:%)

失業率は驚異の 1.5% 未満!(日本の現在の失業率は 2% 前半)
ようするに超人手不足だったわけです。

この頃、日本に十分な雇用が無かった場合、
今のアフリカのように失業者が溢れ、経済成長は鈍化していたでしょう。

日本は人手不足により高度経済成長した

人手不足を補う方法は、大きく2つあります。

1)人で補う(≒移民を受け入れる)
2)技術・設備で補う(≒投資をする)

戦後、日本と欧米(いわゆる資本主義諸国)は黄金期でした。
どの国も、経済成長して雇用が生まれ、人手不足でした。

欧米が取った対策が (1) であり、日本が取った政策が (2) でした。
その結果、経済成長にどのような差が生まれたか?

高度成長期の西側先進国の経済成長率(%)
新世紀のビッグブラザーへ:高度成長期の西側先進国の経済成長率(%)

かなり差がつきましたね。

ちなみに、ドイツは戦後直後は移民を受け入れていなかったそうですが、
1950 年代に受け入れを開始したそうです。(成長率が鈍化しているのが分かります)

移民を入れていなければ、日本と同等の経済成長をしていたろうに(*'-')

投資が経済を成長させる

以前「開発における生産性の誤解」という記事で、「投資が生産性を上げる」ということを
書いたのですが、マクロ的に見れば、「生産性が上がる ≒ 経済成長する」になります。
一人当たりの生産量が増えるので。

勘違いしている人が多いのですが、
例えば、移民が日本に来たところで、日本円の量が増えるわけではありません。

銀行が貸出を増やせば、日本円の量は増えますが、
銀行は、移民数に応じて貸出を増やすなんてことはしてません。
移民を入れると、むしろ一人当たりの取り分は減ってしまうのです。

投資をすると、当然ながら銀行融資が増えるので、投資を増やした方がよいのです。
そして、人手不足の状況というのは、投資を喚起するのです。

今日のまとめ

  • 人口の増減と経済成長の相関は低い
  • アフリカでは、人口増加が問題になっている。
  • 日本の高度経済成長期は、超人手不足だった。
  • 欧米は移民受け入れによって成長が鈍化し、日本は投資によって成長した。

人口増加と経済成長の相関が低いことは、
データを見ずとも冷静に考えれば分かることなんですが、
自称有識者には、こういう印象論から抜け出せない人が実に多いのです。

日本の政策に大きな影響を与えたとかいう人も、こんなことを言っていたり。

日本は、「無能な経営者」から改革するべきだ
アトキンソン氏「働き方改革よりも急務」
https://toyokeizai.net/articles/-/213152

戦後の日本の急激な経済成長を支えていたのは、他の先進国では例を見ないスピードで起こった人口の激増です。(上記 3 ページ目より)

※日本だけ突出して人口が増えたという事実はありません(参考:主要な国・地域の長期人口推移

人口減少デフレ論を流布した「デフレの正体」という迷著を大推薦した人が、
テレビで「学べるニュース」と称して司会をしていたり。

「デフレの正体」信じる愚劣
https://facta.co.jp/article/201103053.html

池上彰氏も「藻谷さんは、労働力人口が減るということは、活発な消費活動をする若い人が激減するのだから、需要不足になり、デフレになるのは当然だ、と指摘します。(中略)目からウロコでした」(「文藝春秋」2010年8月号)と絶賛した。

こんな状況では、なかなか正しい知識は広まりませんな(*'-')
確かに、日本の高度経済成長は人手不足によるものだった!と思われた方はバナーをクリック!
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コメント

プロフィール

HN:
なかば
性別:
男性
職業:
元ソフトウェアエンジニア
自己紹介:
東京のゲーム会社でゲームプログラマ。
家電メーカーで組み込みエンジニア。
その後、京都に移動して観光を楽しみながら
製品開発、業務改善、QA管理などを経験。
今は東京に戻って暮らしています。

詳細な自己紹介は、こちら

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