苦労は削っていかないといけない
そもそも製品開発というのは苦労の連続です。苦労のない開発などないでしょう。
(開発以外の仕事もそうだと思いますが)
開発規模が大きくなり、
規模の不経済が働きだすと、その苦労は指数関数的な増加を辿ります。
つまり、マネージャは常に現場の苦労を取り除く努力をしていないと、
まともに開発さえ行えない組織になってしまうわけです。
⇒ 参考:
それは無意識の事業縮小
そんな中、マネージャが勘違いをして
「意図的に若い人に苦労を強いる」なんてことをしたら、
その開発現場は、余裕を失い、死に向かって行進していくことになります。
前に進めば苦労は自然とやって来る
良い「苦労」というのは
「成長できる」という意味になります。
それには、
新しい経験をさせるのが一番です。
つまり、開発が終わったら必ず
「振り返り」を行い、
「改善」をして、
同じ苦労や失敗で躓かないようにし、先に進む体制を整える。
投資を行い、
作業環境や
運用体制を整え、
同じ作業は生産性高く、低コストで片付けられるようにする。
私たち年寄りが、その努力をすれば、
若い開発者たちには、新しいことにチャレンジする時間が生まれ、
自然と苦労に出会い、それらを克服する努力をします。
もう少し若い人たちを信用してあげましょう。
若い人に会社の歴史を知ってもらう
私は、東京と京都で、創業年数のそこそこ長い製造業で働いたことがあります。
この2つの会社は、
設備投資の積極性に違いがありました。
東京の会社は積極的で、京都の会社はむしろ抑制に積極的でした。
そして、この2つの会社には、もうひとつ違いがありました。
それは、
「会社の歴史を積極的に教えているか否か」でした。
より良い環境を後輩たちに引き継ぐ
東京の会社では、「後輩たちに自分たちと同じ苦労をさせる」のではなく、
「会社がどのように成長してきたかを知ってもらう」ということを積極的に行っていました。
つまり、今の若い人たちに
「先人たちがしてきたように、今より良い環境を後輩たちに引き継ぐ」
ということを意識してもらっていたわけです。
・・・業績の影響で、それが出来ないことも多々ありましたが。
世の中は不条理なので、こればかりは仕方ないですね(*'-')
過去の自分たちと同じ環境で働かせようと・・・
京都の会社では、開発環境を新しくすることにマネージャたちが消極的でした。
マネージャ「ノートパソコンはダメ。開発者は自席で開発に集中してほしい」
マネージャ「調べ物は、インターネットではなく書籍でしてほしい」
いや、あんたが若かったときは、そうだったかもしれないけどさ・・・。
ほんとに、ここはソフトウェアの開発現場か!?(゚ ロ ゚ ;)
マネージャ「開発PC を新しくする前に、工夫できることがあるんじゃないか?」
いや、
設備投資それ自体が工夫の塊なんだよ( -_-)
そもそも、開発者がユーザよりも古い PC で開発してて大丈夫なのかよ・・・。
「何故、自分たちが今の環境で仕事ができているのか」を知らないと、
「後輩たちが自分たちより良い環境で仕事をする」という当たり前のことが、
まるで贅沢で怠惰なことのように、勘違いしてしまうのです。
その結果、
「投資」という概念が忘れ去られてしまうのですが、
それは
「未来を削る」という意味で、非常に罪深いのです。
⇒ 参考:
「人手不足」ではなく「設備不足」
⇒ 参考:
開発における外注と人材投資
今日のまとめ
- 新しいことにチャレンジすれば、若い人たちは自然と苦労する。
- 自分たちがした苦労は取り除き、新しいチャレンジができる環境を整える。
- 会社の歴史を知っていると、後輩たちにより良い環境を残す意識が高まる。
本当に優秀な開発者たちにとって、後輩たちの成長は脅威ではありません。
また本当に辛い苦労した人は、後輩たちに同じ苦労をしてほしいとは考えません。
「現状維持」を推進するマネージャが、
若いときに優秀な開発者だったのか否かは、推して知るべしってとこですね(*'-')
そんなマネージャと同じ苦労をさせても、大した人材は育ちません。
そして、
「現状維持」って、かなり危険なんですよね。
最後に、今日はこの動画で締めたいと思います。
現状維持をしていると、結局は
衰退するってことですね。
そして、一度衰退を始めると、そこから抜け出すのは非常に難しいのです。
・・・今の日本のように。ごきげんよう、さようなら。
確かに、自分と同じ苦労を強いていると衰退する!と思われた方は、バナーをクリック!
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