日本経済は成熟しており、物質的な豊かさがもう十分なため国民は消費しなくなった
ひと昔前は、自称知識人という人たちが、こういう発言をしていたのをよく見ました。
(最近は、さすがにいなくなったのかな・・・?)
「だからもう経済成長する必要はない」とか、大抵そんな言葉が続いたと思います。
言い訳はいいから、さっさと投資をしろ(*'-')
日本の産業別内訳
そもそも、
「経済成長 = 物質的豊かさ」と捉えてる時点で間違いだったんですよね。
モノ(物質)の生産の割合
※内閣府「2017年度国民経済計算:経済活動別国内総生産(名目)」より
国内総生産(名目)とは、
国内で生産されたモノ・サービスの総額のことです。
さて、この中でモノ(=物質)の生産は何パーセントか?
正解は、
農林水産業、鉱業、製造業の3つの合計で、
22.1% です。
私達の生産活動のほとんどは、
サービス(用役)の生産なわけです。
言いかえると、私達の買い物のほとんどが、サービスに対するものなのです。
ちなみに、建設業も「建設サービス」の生産なので、サービス業です。
(建築資材の生産は、製造業に含まれます。)
モノ(物質)の生産に従事する人の割合
※厚生労働省「労働統計要覧(平成29年度):労働力:産業別就業者数」より
就業者数で見ても、同じような割合ですね。
およそ
19.9% です。
生産活動というと、モノの生産しか思い浮かべない人が多いのですが、
サービスの生産も、立派な生産活動です。
というか、この中の産業のひとつでも欠けたら、我々の生活は成り立たないでしょう。
経済成長から背を向けた国の末路
日本は物質的に豊かだから、成長の必要はないって?
現状維持は衰退と同義。
というより、日本は投資を削ってるんですよね。
その結果、どうなったか?
すべての産業については書けないので、ほんの一部を見てみます。
公共投資
主に、
土木・建設業が中心。基幹産業ですね。
日本の公的固定資本形成と対GDP比率
「コンクリートから人へ」なんてスローガンが流行りましたが、
「土木・建設への投資はもう不要」なんて思想のもと、投資を減らした結果どうなったか?
主要国 自動車1万台当たり高速道路延長距離 4車線以上(単位:KM)
すでに高速道路については、
韓国以下の劣等国に。
「道路がないくらいなんだ!」と言うことなかれ。
インフラのない土地は、こうなってしまうわけです。
北方領土なんか、もはや返ってくる気配はなく、
「ロシアと中国、どちらが取るか?」という段階。
災害対策
そして既存のインフラも、メンテナンスしていないと、こうなります。
「
労働分配率と西日本豪雨災害」の記事でも少し取り上げましたが、
すでに日本は、災害に対応できない国になっていました。
そして、災害時に大切なのが、国や自治体の提供する
公共サービス。
公務員も生産者ですからね。私達は税金を通して、公共サービスを買っているわけです。
そして、日本は主要国の中で
最も公務員の比率が低い国です。
主要国一般政府雇用者対労働人口比率、公務員給与対GDP比率
「平成の大合併」の名のもとに地方自治体そのものを減らしましたからね。
未だに「公務員を減らせ!」と叫ぶ政治家が、票を取れるのが不思議。
その上、インフラ整備をサボっていたら、災害対策なんか出来るはずもなし。
次に大規模災害が来たら、どうするんだろうか?(*'-')
日本は、物質的な豊かさが十分?
いや、色々な面で投資が不十分なんですよ。
今日のまとめ
今日のまとめは特にないんですが、「他にはどんな分野の投資が削られてるのか?」
については、この動画(26:19~)に、よくまとめられています。
確かに、日本は豊かではなく投資が不十分な国だ!と思われた方は、バナーをクリック!
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