管理人が多忙のため、暫くの間は更新頻度は低めです。
内容も基礎的な事柄にします。
国民経済の基本。
- 誰かの支出は、誰かの所得
- 誰かの負債は、誰かの資産
- 誰かの赤字は、誰かの黒字
今日は (3) の話。
※今までの記事一覧はこちら ⇒『記事一覧:国民経済の基礎』
誰かの赤字は、誰かの黒字
「誰かの赤字は、誰かの黒字」、当たり前ですね。
でも、この当たり前のことが、国家レベルに拡大した途端に見えなくなる人が多い。
誰かが
¥10,000 の黒字になっていれば、反対側には
¥10,000 の赤字の人がいます。
そして、赤字の人は、どこかから
資金を調達しなければなりません。
左の人は、¥10,000 の
資金不足(金融負債が多い状態)
右の人は、¥10,000 の
資金過剰(金融資産が多い状態)
ただ、国民経済においては、
個人が借金をしてまで、他人を黒字にしてあげる必要はありません。
4つの経済主体
国民経済においては、主に以下の4つの経済主体を考える必要があります。
「
政府」「
民間企業(非金融企業)」「
家計(個人)」「
外国(輸出入)」です。
※金融機関や NPO などもありますが、本記事の主題では影響が少ないので省きます。
以前の記事で「
三面等価の原則」を紹介したときにも、
この4つを代表的な経済主体として図を書きました。
そして、三面等価の原則の通り、上図の GDP は統計上イコールになります。
「誰かの支出は、誰かの所得」ですからね。
そこで、4つの経済主体の内、誰かの黒字が大きい場合、
当然、
誰かが赤字を背負わなければなりません。
※収支における黒字・赤字は、資金過不足における黒字・赤字と完全にイコールではないのですが、
赤字・黒字のトレードオフという概念は、どちらでも成立します。
日本の4つの経済主体の赤字と黒字
まず、4つの経済主体の特徴をまとめると、以下のようになります。
家計
|
支出面の GDP の6割を占める重要な経済主体。
最も脆弱な経済主体であり、常に黒字でないと破綻する。 |
民間企業 |
銀行から融資を受け、投資を行い、経済を回す経済主体。
そのため常に赤字だが、赤字幅が大きすぎると倒産のリスクがある。 |
政府 |
最も強力な経済主体。負債が自国通貨建てである限り破綻することはない。
経済状況を見ながら、赤字幅を調整する。 |
外国(輸出入) |
国内からの制御が難しい経済主体。
※正確には、利子・配当などの収支もあり、日本はこの黒字額が大きい。 |
※ここでの黒字・赤字は資金過不足の話になります。
さて、近年の日本の状況は・・・?
・・・かなり、おかしなことになっている( -_-)
~1986年(健全な状態)
企業が赤字。
投資を行っている状態です。
政府も、輸出入の状態を見ながら、
足りない赤字幅を調整しています。
おかげで家計は、
年間20~40兆円の黒字になっています(^^)v
~1991年(バブル経済)
おかしなことが発生しています。
企業の赤字が大きくなりすぎて、
政府が黒字化してしまいました。
バブルが発生しています。
本来であれば、政府は企業の赤字幅を縮小させるための政策をすべきでした。
~1997年(バブル崩壊後)
あえなくバブル崩壊。
企業の赤字が縮小していっているのが分かります。
(投資を控え、負債の返済をしている。)
しかし、このときはまだ
政府が赤字を肩代わりしています。
おかげで、なんとか
家計の黒字幅は維持されていました。
~現在(デフレ経済)
1997年の
橋本緊縮財政により、日本はデフレ化。
企業が黒字化(=投資を止めた)しています。
それ以来、
家計と企業の間で黒字の食い合いが続いています。
しかも、日本政府は、こんな ↓ 目標を掲げているので、
もし政府が黒字化したら、
家計と企業と政府の間で、
黒字の食い合いになります。
・・・何やってんだよ(*'-')
しかも、いま世界経済は、こんな状況。
日本は経常収支の黒字がデカいので、「外国」が黒字になることは、まず無いですが、
より小さくなる黒字の激しい食い合いが始まることになります。
弱者(中小企業や労働者)にしわ寄せが来るのは、間違いないでしょう。
下手すると、
家計が赤字に転落するなんて、前代未聞の事態が起きる可能性すらあります。
・・・ほんとに何やってんだ、この国は(゚ ロ ゚;)
今日の駄文
- 国民経済では、家計、企業、政府、外国の4つの経済主体を考える。
- これらの経済主体の赤字・黒字はトレードオフの関係にある。
- 今の日本は、企業が黒字化し、政府が赤字幅を縮小するおかしな状態。
先に示した
資金過不足のグラフですが、日本が
デフレを抜け出すチャンスが2回だけありました。
デフレ突入直後の小渕政権、リーマンショック後の麻生政権です。

このときだけ政府は財政出動を行い、
赤字幅を拡大しました。
結果、民間の黒字が拡大しています。
しかし、どちらも短期政権だったので、効果はすぐに消えてしまいました。
(企業が赤字に転じるまで続けるべきでした。)
また、グラフを見ると、他にも
マスコミの報道と現実の違いも分かります。
- (マスコミ)民主党政権は無駄を削った ⇒ (現実)赤字幅を維持している
- (マスコミ)安倍政権はバラマキをしている ⇒ (現実)赤字幅を縮小している
まぁ、民主党政権は何も出来ない政権でしたからね。
政府の赤字幅の縮小は出来なかったわけです(それでよかったんですが)
問題なのは、安倍政権の実行力ですね。
国民の黒字が、どんどん削られています。。。( ´_ゝ`)
やる気のあるバカは、害悪にしかならない。
けど、マスコミがこの基礎的な事実を報道することはないでしょう。
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