ソフトウェア工学分野の巨人、
フレデリック・ブルックスは、
著書の中で以下のように述べています。
あらゆる開発に当てはまると思いますが、特にソフトウェア開発において、
「人手でなんとかする」式を取っている組織は、問題解決ができないばかりか、
衰退以外に道はなくなります。
生産性の低い優秀な開発チーム
「何言ってんだ?」と思われたかもしれませんが、この様な開発チームは意外と多いのです。
マネージャ「あいつらに任せておけばいいんだよ」
といって、マネージャが
投資や変革を怠るケースです。
『
それは無意識の事業縮小』で書いたのですが、
ソフトウェア開発というのは容易に
規模が肥大化します。
そして放っておくと、いくら開発者が優秀だったとしても、どうにもならなくなります。
こうなると、
製品品質の低下、
スケジュールの遅れなどが目立つようになります。
こんなときに、マネージャが
マネージャ「最近、弛んでるぞ!プロ意識が足りない!」
などと、檄を飛ばしている職場には、衰退の道しかありません。
プロ意識が足りなかったのは、あなたですよ!マネージャさん(*'-')
投資は、次の投資の機会を生む
以前、『
開発における生産性の誤解』の記事を書いたとき、
以下のような図を示したことがあります(大した図ではありませんが。。)
大事なのは
「投資は次の投資の機会を生む!」という部分。
ソフトウェアに限らず、開発をしている会社というのは、
目の前の開発業務以外に、以下のような仕事を
暗黙的に抱えています。
- 新しい技術や開発手法への対応
- 新しいビジネスモデルへの対応
- 開発規模の肥大化への対応
- 新製品の研究開発
これらにかかるコスト、特に
「時間」は、どうやって確保するのか?
生産性を上げて確保する以外にないわけです。
二度と他社に追い付けない構造
もし、投資を怠った場合(「人手でなんとかする」式を採用した場合)どうなるか?
投資をしている会社は、
次の技術やビジネスモデルへの対応を着々と進め、
投資をしていない会社は、
現行製品の運用で手一杯。
投資をしている会社は、
新しい市場開拓も(相対的に)低コストで行え、
投資をしていない会社は、
準備が足りず高コストになる。
そして、これが延々繰り返される。
二度と追い付けない構造に陥るわけです。
最終的に、投資を怠っていた会社は、以下の二択を迫られることになります。
- 事業からの撤退(or 事業の売却)
- 開発を完全に外部に委託(自社はブランドを貸すだけ)
今日のまとめ
- 将来の不確実性(新技術の登場や市場の変革)への対応には、生産性向上が不可欠。
- 「人手でなんとかする」式の開発組織は、生産性を低下させる。
- 投資を怠った開発組織は、二度と他社に追い付けない構造に陥る。
外注でなんとか凌いで、コスト(開発者たちの時間)を確保するのは?(*'-')
『
開発における外注と人材投資』で書いたように
「外注とは人材投資」の
意味合いがありますが、当然、
早めにかつ
計画的にやらないと意味がありません。
コスト削減のために外注を進め、開発をすべて外部に委託するだけの状態に陥ると、
自社から
ノウハウが失われるだけになるので、取り返しが付かない状態は変わらないのです。
そして、優秀な開発者たちは「自分の会社が投資をしているか?否か?」をよく見ており、
組織の将来をいち早く予測し、
「辞めるか?否か?」を決めてる場合が多いのです。
特に若い開発者にとって、組織の投資不足は、
「自分の成長の機会が奪われている」と同義なので、将来の死活問題でもあるのです。
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