前回は、ユーロについて書きました。
そして、そうこうしている間に
英国が EU を離脱しましたね。
マスコミには、未だに「
イギリス国民はバカなことをした」という論調が多いです。
まぁ、マスコミの薄っぺらい情報を鵜呑みにする人は、今は少数でしょうが。
しかし、何故イギリス国民は EU を離脱したかったのか?
グローバル化の国際協定「EU」
EU とは、共同体の名前と思われがちですが、
複数の国際協定(条約)により成り立っているシステムの総称、と捉えた方がよいです。
しかし、その仕組みは複雑怪奇。。。
ヨーロッパの国と地域的機関の相互関係(2020年2月5日時点)
いやぁ・・・ソフトウェアの設計で、こんなの提出したら絶対怒られる。
体制図だったとしても、突き返されるな。
・・・というわけで、
今日は、
英国の EU 離脱の主因を2つに絞って、無理やり短くまとめてみます。
ヒトの移動の自由化(シェンゲン協定)
前回の記事でも書きましたが、経済における
グローバル化の定義は、以下の通りです。
(経済における)グローバル化の定義
ヒト・モノ・カネの国境を超えた移動を自由化する。
EU 圏内では、モノ・カネの移動も多くなりましたが、
ヒトの移動も増えました。
シェンゲン協定により、国境検査なしで越境することが可能になったためです。
さて、シェンゲン協定が
ブレグジットに与えた影響とは。
低賃金労働者の流入
契機は、2004~2007年にかけて
東欧諸国が加盟したことでした。
東欧諸国の人々は、西欧諸国にくらべて所得水準が低いため、
みんなこぞって西欧諸国を目指したのです。
要するに、英国も含めた西欧諸国の労働者たちは、
低賃金争いを余儀なくされたわけです。
よく
移民問題というと、2015年辺りから始まった
中東や北アフリカからの難民が
取り上げられることが多いのですが、本来はここまで遡らないといけないわけです。
この辺まで絡めてブレグジットを解説している大手メディアってあるんですかね?
※)
しかも、その東欧諸国では、労働者が西欧諸国に行ってしまい、人手不足が深刻化。
そして、更に賃金の安い近隣諸国から労働者を入れるという歪な状況になってます(^^;
治安の悪化
景気が悪化すると、治安も悪化するのは世の常です。
しかも、グローバル化で国境を跨いだ資本移動が活発化したせいで、
リーマンショックの影響は世界中に波及しました。
そういうときこそ、欧州各国政府がしっかりと治安の管理を・・・
国境検査は廃止してました。(*^▽^*)ゞ テヘッ
欧州で起きた
テロ事件(国内の過激派によるものは除く)は、
Wikipedia に掲載されているものだけでも、2001~2010年が
4件なのに対して、
2011~2018年は
23件(死者数の合計は358名)でした。
ビジネス上の(短期的な)恩恵はあったかもしれないけど、
これって、代償が大きすぎないか・・・?
いや、大丈夫!
企業経営者や株主、欧州議会の議員たちは、そんな危険な現場にいない!
労働者は減っても、移民で賄える!
まぁ、グローバル化って、こういった階級社会を生みますからね(*'-')怖ぇ...
疫病・・・
最近、気になっているのが、
新型コロナウイルスに対する各国の対応。
当然ながら、国境検査を厳しくする方向に動いています。
もし、EU 圏内で疫病が蔓延した場合、どうするんでしょうね。
「グローバル化 ≒ 国境の撤廃」です。
しかし、
前回のユーロの記事でも書きましたが、
国境には国民や国内産業を守る「盾」の役割があります。
簡単に撤廃していいものではないんですよね。
次回は「マーストリヒト基準」
1回の記事で収めようと思ったのですが、さすがに無理があったので 2回に分けます。
前回が「モノ・カネ」に関する国境の話。
今回が「ヒト」に関する国境の話でした。
結局、英国は
「賃金を切り下げた企業が生き残る」市場となってしまい
多くの労働者たちは、このような ↓ 状況に置かれてるわけです。
次回は、はグローバル化のもう一つの側面
「小さな政府」の話です。
⇒『
イギリスが EU から離脱したかった理由』
確かに、国境は簡単に撤廃していいものではない!と思われた方は、バナーをクリック!
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