産業を分類するときに、以下のような観点で分類することがあります。
明確な境界線はないのですが、ようは人間の
労働力に頼る割合が多いか、
資本(特に設備)に頼る割合が多いか、ということです。
この2つの違いを知ることは、マネジメントにおいても非常に役立ちます。
資本集約型経済の始まり
義務教育を終えられてる方は、ご存じとは思いますが、
資本集約型の経済が本格的に始まったのは、18世紀の
産業革命からです。
産業革命前(労働集約型)の経済
それまでの経済では、
生産量を増やしたかったら
労働力を投入するしかありませんでした。
しかし、労働集約型の経済では、大した経済成長はできません。
しかも、労働者を増やし過ぎると、
規模の不経済が働いてしまうことがあります。
ゆえに、産業革命前には
マルサスの罠の存在が指摘されていました。
マルサスの罠とは、経済成長の速度が人口増加の速度のに追い付かず、
貧困が拡大し、いずれ経済成長は停滞する、というものです。
しかし、産業革命により、人類はこの罠を乗り越えました。
産業革命後(資本集約型)の経済
産業革命後の経済(
資本主義経済と言いかえてもよいと思います)では、
生産量を増やしたい場合は、以下のようなプロセスを踏みます。
①新たな技術を開発します。
②開発した技術でインフラや生産設備を作ります。
③作った生産資産を生産活動に投入します。
そして、これらの
プロセスは循環して
経済を成長させていきます。
技術研究・開発により、
生産資産を作る。
労働力の代わりに
生産資産を投入し、
経済を成長させる。
成長した経済により、新たな
技術研究・開発が可能になる。
・・・という循環です。
近年の世界と日本
近年、世界経済の停滞を受けて
移民受け入れ拡大を(^^)
・・・なんて労働集約型の政策を止めて、まともな資本主義の政策を掲げる国が増えています。
よく農業は、労働集約型産業の代表としてあげられますが、
私は、それは既に過去の話だと思っています。
これからは、農業も資本集約型になり、人手がいらなくなってくるでしょう。
そして、この国も着々と進めています。
さすが、やることはえげつないけど、政治・経済をよく勉強してらっしゃる。
どこぞの国の政治家にも見習ってほしいものです。
※中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)とは、
すべての製品を自国で生産することを目指す中国の政策
さて日本は・・・?
技術投資は・・・?
2000年度を100とした場合の各国の科学技術関係予算の推移

・・・Σ(゚д゚ )
民間の設備投資は・・・?
日本の製造業・サービス業の資本装備率(万円/人)

・・・Σ( ̄△ ̄;
公共投資(インフラへの投資)は・・・?
日本の公的固定資本形成と対GDP比率

・・・(゚ ロ ゚;)
経済成長するはずがありませんね。。。
主要国 2016年GDP(対96年比、倍)

さて、いい加減、日本も世界を見習って方針転換しないといけません。
投資を行って、資本集約型への転換を・・・
・・・この期に及んで労働集約型かよ!
中世に逆戻りですね(*'-')ヤレヤレ
今日のまとめ
- 資本主義は、投資により生産した資産を経済活動に投入して成長するモデル
- 労働集約型は生産性の成長度が低く、資本集約型は生産性の成長度が高い
- 近年の日本は、労働集約型の方向に進んでおり、経済が停滞している
さて、タイトルに「マネジメント」と付けておきながら、
まったくマネジメントの話をしませんでしたが、参考になったでしょうか。( -_-)ヾ
新技術の登場&
開発規模の肥大化が激しいソフトウェア開発で、
労働集約型のマネジメントを見かけたら「こいつらヤバい・・・」と思ってください。
(設備不足、長時間労働の常態化、人員追加しか解決策を知らない、等)
そんなマネジメントをしているマネージャたちには、こう言ってやりたい。
お前ら、
義務教育からやり直してこい!
この記事が役に立った方は、クリックしていただけると励みになります。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
