忍者ブログ

東からの放浪者

様々なソフトウェア開発を経験してきた視点から、開発、マネジメント、経済などについて書いています。
タイトルは、あるレトロゲームからのオマージュ。

ツイッターアカウントはこちら。

主体性に保存則って働くのか?

ある会社で、人事部の人と話していたときに、ある相談をされました。

開発者からは「マネージャの放任主義をどうにかしてほしい」と言われ
マネージャからは「開発者の主体性を延ばすためにやっている」と言われている。
どっちがいいと思う?

どうやら、この会社は、おかしな法則を信じているらしいのです。

それはマネージャの職務放棄

その組織では、どうやら

マネージャが主体的に仕事をすると、
開発者たちは主体的に仕事をしなくなる


と信じられているようでした。

私は、いくつかの会社で、様々なチームや組織を見てきましたが、
経験上、そんな法則は成り立たないというのが答えです。

マネージャの主体性は、開発者の主体性を喚起する

私の経験上、チームや組織のトップが、主体的に仕事をすると、
部下や後輩たちも、主体的に仕事をするようになります。

つまり、主体性には保存則ではなく相乗効果が働くということです。

また、マネージャが自ら主体的に仕事をし、成果を示すことによって、
その部署で求められている仕事のあり方を自らの行動で示す効果もあります。

もちろん、いくら開発者たちが主体的に仕事をしても、
全員がバラバラのことをしていたのでは、組織としての成果も上がりませんが、
少なくとも、マネージャが主体的に仕事をしないことには始まらないわけです。

仕事の任せ方

しかし、ときとしてマネージャが現場に権限を委譲した方がよいときもあります。
それは、

  • 「部下を育てるため」だったり、
  • 「意思決定のスピードを上げるため」だったり、
  • 「成果を出せないマネージャの最後の手段」だったり

します。

ただし、いずれの理由にせよ、ひとつだけ約束事があります。
それは、責任まで委譲しないということです。

主体性の保存則を信じているマネージャは、大抵、責任まで委譲してしまいます。
ようするに、体のよい職務放棄の理由として使われていることが多いのです。

仕事を分かっているマネージャの見分け方

マネージャが後で責任をちゃんと取ってくれるのかは、そのときにならないと分かりません。
しかし、それではまさに後の祭りです。

私なりに、見分け方をまとめてみました。

積極的に自らの成果を報告する

よく、定例ミーティングなどで、
開発者だけが報告をし、マネージャは聞いているだけ(もしくは事務報告だけ)
というものをよく見かけます。

しかし本来、定例ミーティングというのは、開発者たちに対して、
仕事の成果が見えづらいリーダーやマネージャが成果を報告する場なのです。

逆に、何も報告することのないリーダーやマネージャは、
自分で「私は主体的に仕事をしてませんでした」と報告しているにすぎないのです。

リーダーやマネージャになった方は、まず自分から成果を報告するようにしてみましょう。

問題が起きる前にテコ入れをする

責任まで委譲していないので、これは当たり前です。
仕事が失敗した場合、マネージャが責任を取らなければいけないからです。

しかし、自分の仕事をよく分かっていないマネージャは、
現場で問題が起きてから、のこのこやってきて説教を始めます。

「現場から報告が上がってなかったんだよ」という言い訳は通用しません。
コミュニケーション・マネジメント(情報経路などの確立)は、
マネージャの重要な仕事の一つです。

現場の把握もできない状態で仕事を始めてしまった責任は残ります。
結局、マネージャから責任が消えることはないのです。

「責任」のフレーズの使い方

今までの仕事で、何人ものマネージャに会ってきました。
そんな中で、ある対照的な 2 人のマネージャがいました。
部下の行動を抑止したいときに使う台詞が対照的なのです。

一人目は、以下の台詞をよく使っていました。

お前、それで責任取れんのか? ε=( ̄ロ ̄メ

このマネージャの部下は大変ですね。
二人目は、同じ状況で以下の台詞を使っていました。

俺が責任取らなきゃいけないんだよ! ε=( ̄ロ ̄メ

部下としては、もっと論理的な説明がほしい、と思うかもしれませんが、
この一言で、マネージャが責任の所在をどう認識しているかが分かります。

今日のまとめ

  • 主体性に保存則は働かない
  • マネージャが主体的に仕事をすれば、開発者も主体的に働く
  • マネージャは、権限を委譲しても、責任まで委譲してはいけない

私は、しっかり責任を取るマネージャのもとで育ったので、
今回のコラムは、私にとっての常識なのですが、みなさんはどう感じたでしょうか。

実際、主体性の保存則を盲信している組織にいたこともありますが、
私には、不可思議で仕方ありませんでした。
正直言うと、狂信的とすら感じていました。r(^_^;)

「マネージャがどうあろうと、影響を受けずに主体的に仕事をすべきでは?」

もし、現場にまったく影響を与えないマネージャなら、いても意味がないので、
とっとと辞めてもらって、浮いた人件費でビルドマシンでも買った方がよいですね。
確かに、マネージャが主体的に働いた方が開発者も主体的になる!
と思われた方は、バナーをクリック!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓


PR

コメント

プロフィール

HN:
なかば
性別:
男性
職業:
元ソフトウェアエンジニア
自己紹介:
東京のゲーム会社でゲームプログラマ。
家電メーカーで組み込みエンジニア。
その後、京都に移動して観光を楽しみながら
製品開発、業務改善、QA管理などを経験。
今は東京に戻って暮らしています。

詳細な自己紹介は、こちら

カレンダー

03 2020/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30