前回の記事では、「マネジメントを根付かせるには仕組みが必要」ということを書きました。
では、その仕組みがない組織ではどうすればいいのか?
諦めてください(*'-')
・・・というのは簡単なのですが、
その組織の文化、体制次第では、何とかなるかもしれません。
(今までの記事)
⇒
マネジメントが根付かない開発現場
⇒
マネジメントが根付かない開発現場 その2
マネジメントがない開発現場を何とかする
まず、前提として以下の両方が当てはまるマネージャの再教育は
不可能だと思った方がよいです。
- マネジメントの仕組みがない組織で育った
- マネジメントを勉強せずに、長年マネージャをやっていた
基本的に、
開発者たちで何とかするという覚悟を持たないといけません。
対策1:上層部からの圧力を使う
前回の記事で、マネジメントを根付かせる仕組みの一つとして
評価制度や
人事制度を挙げました。
制度が未成熟な組織でも、
マネージャを評価する人、
人事権を持っている人に、
直接掛け合うことが出来れば、「マネジメントをしていないマネージャ」に対して、
マイナスの評価を付けることができるかもしれません。
コネが必要な方法になりますが、
上層部から信頼されているベテラン開発者がいれば、可能かもしれません。
ただし、「圧力を今後もずっとかけ続けてくれ」という要求は、
さすがに通らないと思うので、
「マネージャの交代」という要求になると思います。
ただし、やらないよりはマシでしょう。
対策2:開発リーダたちが結託する
開発現場の負荷が高く、成功率も低いので、あまりお勧めできる方法ではないのですが、
「マネージャを無視して、すべて開発者が行う」というものです。
ただし、うまくいけば「マネージャの交代」まで持っていけるかもしれません。
大事なのは組織の文化
私の経験で、一度だけ、この方法が上手く行ったときがありました。
東京のメーカーで働いていたときのことです。
その組織には、開発者がマネージャに対して
対等に物を言える文化がありました。
定例ミーティングで成果を報告しないマネージャは、開発リーダたちから、
「お前は、この一週間何をしていたんだ!」と質問攻めにされていました。
そのうち、プロジェクトは開発者の作ったプロセスで回るようになり、
そのマネージャは発言権をなくし、最後は開発者の指示の元で仕事をするようになりました。
ただし、この方法は副作用として、
人間関係を壊す可能性が非常に高いです。
やはり、人事権を持っている人に対応してもらうのが、よい方法です。
それでも、やっぱり仕組みは大事
この方法は、上手くいかないことが多いです。
原因は、やはり
「組織の仕組みの影響力の方が強い」ということです。
私は、他の会社でも、この方法を取ったことがあります。
現場の開発者たちも、協力的な人が大勢いました。
ただ、協力してくれていた開発者たちが、マネージャ候補になるに従い、
言動が既存のマネージャたちのそれに近づいて行ってしまったのです。
組織の仕組みが「マネジメントを根付かせない」形になっている以上、
この圧力は避けがたいです。
また、
マネージャ候補生たちの見本となっているのは、
当然のことながら、既存のマネージャたちなのです。
組織の仕組みが、マネジメントのない開発現場を作り、
その「仕組み+現場+既存のマネージャたち」が次のマネージャを育てます。
このサイクルに対抗しなければいけないので、一筋縄ではいかないわけです。
今日のまとめ
今日、紹介した対策は、あくまで
「悪あがき」だと思ってください。(特に対策2)
ところで、対策2が失敗した組織は、その後どうなったの?(*'-')
実は知りません。
失敗を確信したと同時に「もうこの組織にいる価値はない」と感じたので。
結局、今日の記事は
改善の努力をする意味はあるかもしれないが、
マネジメントのない開発現場に特効薬はない。
ということを言いたいのでした。
では、マネジメントを根付かせる仕組みがなく、
上層部が当てにならず、上下関係の膠着した文化の組織では、どうすればよいのか?
トム・デマルコさんの、この言葉で締めたいと思います。
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